たしか小学校3年生のときだったと思います。学校で授業してる途中のことです。入口の扉がノックされたかと思うと、別の先生が教室に入ってきて、授業をやってる担任に小声でなにかを告げてました。
それを聞き終えた担任は、いきなり話し始めたのです。伝えに来た先生が、なぜ小声で伝えたのかなんて、まったく考えてなかったんだと思います。
「田中さん(仮名)のお母さんが(これこれこういう事故で)亡くなったそうですので、今すぐ田中さんを帰します。」
当たり前のことですが、さすがにそのようなことを伝えられると授業中でも、教室内が騒然となってしまいます。今になって考えると、告げに来た先生は、まさか全員の前で言うとは思わなかったんだろうと思います。
担任に言われるままに、帰り支度を始めた田中さん。ランドセルに荷物を詰め込んでます。目から涙がこぼれていたような記憶があります。
そこに仲が良かった(自分を含む)数名が駆け寄ったのでした。
そして、田中さんに質問を浴びせるのです。
「田中、おかあさん死んだん?」
「ホントに死んだと?」
そんな質問を無視して、淡々と帰り支度を進める◯◯さん。
というか、そんな質問をしたところで田中さんは何も答えられないのです。本人でさえ、クラスメートと同じように教えてもらったばかりだから、(田中さんが超能力者でもない限り)それ以上の情報を持ってるはずがないのですから。
母親が亡くなったって伝えられた直後に、ともだちからの質問に答えるような気持ちの余裕があるわけないですよね。だけど、小学校低学年の子どもには、そんなことを察するなどという能力は持ち合わせてないのです。
冷静に考えればすぐにわかることですが、こういうときの小学生は非情です。本人でさえ、学校を通じて聞いたばかりの、事実かどうかを把握できてない事に対して、なかなか答えてくれないからって、繰り返し質問をぶつけていたのでした。
当時の田中さん(仮名)、ごめんなさい。あとでとても深く反省しました。
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